彼の日常

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嘉「よし、今日からお前らに中級魔法を教える。だが簡単にホイホイと教えるのはあんまり良く無いから一回独学でやってみろ!!それで失敗した奴は私の下へ、成功した奴は他の魔法を練習しろ!!ページは自分で探せ!!以上!!」 嘉代子は真剣な表情で生徒全員に教える。普通なら騒ぎ出すのだが生徒達は慣れているのか次々と散らばって行く。 洋「さぁこっちも始めるか!!」 校舎寄りに移動した洋輔は周りを見ながら嬉しそうに意気込む。そんな洋輔の近くには翼と哀歌が呆れたように立っていた。 洋「あれ?ゼロは?」 洋輔はゼロがいない事に疑問を持って二人に問いかける。すると二人は無言でグラウンドの中央を指差す。洋輔は指差す方に視線を向ける。 女子A「ちょっと先に私が教えて貰うの!!」 女子B「何言ってるの!!私よ!!」 ミア「貴女達退きなさい!!最初に教えて貰うのわ私だと決まっておりますわ!!」 茉「違うよ~♪私だもん♪」 嘉「お前ら一回独学でしてみろと言っただろ!!」 茉「じゃあ先生は何でいるの?♪」 嘉「そ、それはだな―――」 グラウンドの中心ではゼロの取り合いが行われていた。これには洋輔も唖然として見ていた。 翼(……最早、数えるのもバカらしくなるぐらいの多さだな。ゼロも埋もれてどこにいるか分からん……いや、まず生きてるか?) そんな少しの不安を持ちながらも翼はただ呆然と見ていた。 洋「……よし!!俺は何も見なかった。さて始めるか」 洋輔はキッパリと現実逃避宣言をすると二人の方へ向いて教科書のページをパラパラとめくり始める。それにあわせて二人も教科書を開く。 洋「う~ん……俺は属性が炎だからこれで!!」 洋輔はあるページを食い入るように見つめると目を瞑り深呼吸をする。 周りから見ても洋輔が集中しているのが分かる。 洋「……我に纏いし炎の子らよ《炎火》」 そう唱えた洋輔の両肩付近で突然発火するとみるみるうちに直径十cm程ある炎の球体に姿を変えた。 そしてフワフワとその場に浮かぶ。 翼「おぉ~」 哀「……」 二人は炎の球体を不思議そうに見つめる。
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