プロローグ

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魔王に直撃した瞬間大きな爆音が部屋中に鳴り響き、爆煙によって魔王の姿が見えなくなった。 ???「これで……やっと終わった……」 全ての力を使い果たしたのか剣士は疲れたようにその場に座り込む。格闘家の男性と僧侶の女性も同じように座り込んだ。 ???「?どうした??」 格闘家は未だ爆煙を仰視して立っている少年に声をかける。 ???「……まだ!!」 仰視していた少年は強くそう言うと体を低くして戦闘体制をとる。他の三人は不思議そうに少年を見る。 魔王「……ふっフッ」 魔王らしき笑い声が爆煙の中から聞こえてくる。その声により座っていた三人は大量の冷や汗をかく。 ???「バ……バカな……」 剣士は座りながら呟く。 騎士が呟いたと同時にだんだんと爆煙が晴れ始めた。 魔王「……惜しカったな……グフッ!!」 爆煙が完璧にはれると鱗で覆われていた両腕が粉々に吹っ飛んで無くなり、漆黒の翼が根元から今にも千切れそうになっている魔王がフラフラと立っていた。 ???「くそぉ……」 魔王を侮っていた剣士達はもう立ち上がる体力も無かった。 魔王「……死ネ!!」 まるで機械のように魔王の口が剣士達に向けられる。その口の奥から真っ赤な炎がチラチラと見えていた。 剣士達は諦めたように目をつぶる。
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