プロローグ

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???「はう~その顔にその口調。癒される~~!!」 少年の声を聞くと女性は目をトロンとさせて体をくねらせる。 端から見ると危険な人、もしくは変態にしか見えない。 翼「椿(ツバキ)隊長聞いてる~?」 そんな女性に翼は顔を覗き込むように話しかける。 椿「はっ!危なかった……翼の顔は働く女性には毒ね!!」 そう叫ぶと一人で頷く椿と呼ばれる女性。しかし特別カッコ良くも無くスッゴい可愛くとも言えない翼を見て癒される女性はめったにいないだろう。 翼「隊長~?任務は~?」 少し不安そうに問いかける翼。椿はその問いに思い出したように両手をポンとあわせる。 椿「あぁ、ごめんごめん。確か貴方の任務は…………第三世界の魔王退治だったわね」 椿は近くにあった紙を拾い上げるとそれを見ながら確認するように翼に聞く。 その言葉に翼は肯定の意味で二度軽く頷く。 翼「意外と弱かったよ~」 椿「流石ね。一応だけど確認させて貰うわ」 そう言うと椿はポケットから携帯電話のような長方形状の機械を出すと、ボタンを押してそれを耳にあてる。 椿「……あ、もしもし此方【時の風】ですが……はい……そうですか!!……じゃあお金は……はい宜しくお願いします。では」 そう言い終わると機械のボタンを押して満面の笑みで翼を見る。 椿「お疲れ様♪♪確認はとれたわ」 翼「じゃあ帰りま~す」 そう言って回れ右をすると出口と思われる扉に向かって歩こうとした翼だったが急に後ろから肩を捕まれた。
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