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ずずずずず～……
安っぽい豚骨味のスープを『これでもか』というくらい吸った……というよりは、
「のび過ぎだろ…これ」
と、思わず漏らしてしまうほどに伸び切った学食のラーメンを啜る。
寂しいことに、共感だのツッコミだのを入れてくれる『奴』はいない。
それもこれも、午後の講義が休講になったという情報が駆け巡り始めた瞬間に、素早く同じ学科の女の子に拉致られていった『奴』のせいだ。
お陰で部活やサークルに無縁の俺は、急に訪れた午後の暇な時間を持て余してしまい、学食の売れ残り率No.1の、
『バリうま☆豚骨ラーメン』
なるものを賞味してみるという暴挙に出てしまったワケだ。
当然、名前のようにバリ美味いわけもなく……というより、ぶっちゃけマズい。
そもそも食券に印刷された文字の中に、場違いな『☆』を見た時点で払い戻しを選択するべきだった。
３回ほど箸を動かして、もう一口ほど味わうべきか逡巡しているところで、すぐ近くから人の視線を感じた。
よっぽど珍しいメニューなのだろう。
いや、珍しいのは学食でマズそうに食事をしている俺の姿の方なのかもしれない。
どちらにせよ、顔を上げるのも面倒なので、あっさり無視を敢行することにした。
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