バカみたい

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バカみたい ひとりで勝手に思い込んでた あの人もあたしのこと好きだって あの人もあたしのこと想ってくれてるって ただの気まぐれだったのに ほんの気の迷いだったのに 電話がかかってこなくなっても メールが5回に1回しか返ってこなくなっても あの人の甘えだって 慣れただけだって 自分に都合のいい解釈をしてた ほんとはあの時 あの頃 とっくにあの人の気持ちは冷めてたんだ 気付いてたのに ほんとはわかってたのに 気付かないようにしてた 気付きたくなかった 認めるのが怖かった 認めてしまえば もう会えない気がして 好きじゃないって言われたら この気持ちの行き場をなくすことが怖かった やっと出会えた人だった やっとこんなあたしに会わせてくれた人だった そのことばかりにすがりついて ほんとを見ようとしなかった あの人はサインを出してたのに それとなくあたしを遠ざけようとしてたのに 全部全部 自分のいいように理由をつけて ほんとを見ようとしなかった 悪いのはあたし あの人は悪くない 悪いのは あの人にほんとの気持ちを言わせなかった ずるいあたし
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