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ひとしきり考えた後、魁堵はとりあえずこの森を出ようという考えに至った。
(まあここでずっと考えてても仕方ないし、とりあえず兄貴を探してみるか……いないかもしないけど。)
我ながら無駄に落ち着いてるなと苦笑し、自分の冷静さに感謝しながら魁堵は立ち上がって歩き出した。
「動き出しましたな。」
「ああ、しかもあっちは魔物の住処だな……もしや腕前を試そうと思ってるのか?」
「どうでしょうか……? 尾けますか?」
「一応見ておこう。 何やら嫌な予感がするからな……。」
二人はキョロキョロしている魁堵に悟られまいと気配を殺しながら尾行を始めた。
(なんか変な視線感じるな……まあ気のせいかな。)
魁堵は何故か小さい頃から無駄に勘が強く、どんなに小さな気配でも感じれるほどであったので、獣人の二人組の気配もなんとなく感じていた。
「若干意識がこちらに向いたな……なかなかやるようだ。」
「我らの気配を感じれるとは……やはりただ者ではないようですな。」
そしてしばらく先に進んだ時、異変は突然起こった。
(なんだこの気配……今まで感じた事ないぞ!?)
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