第一章 勇者の目覚め

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空気を裂く音が響き、放たれた矢の羽音に気付いた時には時既に遅し――、矢は二頭の頭に深く突き刺さった。 グルゥ…… 「静かに眠れ。」 異変に気付いた残りの二頭がその場から飛び退こうとした瞬間、上空から飛来した二人にその首を刎ねられた。 「よし、追いかけるぞ。」 「姫様、しばしお待ちを。」 男性が女性に声をかけ、向かった先は魁堵の携帯の下……今は再生を終了し、なんの音も発していなかった。 「じい、何をするつもりだ?」 「いえ、これの正体が気になりましてな……別国の新兵器やもしれませぬ。 まあ爺の思い過ごしだとよいですが。」 「なるほどな……よし、それの事もゆっくりとあの男に聞くとしよう。」 男性が腰にかけたポーチに慎重につまみ上げたソレを入れた事を確認し、二人は魁堵の後を追って走り出した。 「ハァ、ハァ、ハァ……な、なんとか、播いたみたい、だな……ふぅー。」 魁堵は先ほどハウンドドッグに遭遇した場所から少し離れた上空からの見晴らしがよい開けた所にいた。
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