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「あー……またか。」
夢を見ていた――。
「ふぁ~……今日も学校か……確か今日の授業は退屈なんだよなぁ……。」
遠い、ずっと前から俺の頭から離れない……呪いのような夢――。
「はよーっす。」
他人から矯正されたでもない……自身で自ら打ち立てた、楔――。
「じゃあここの問題を……沢渡、解いてみろ。」
決して許すことの出来ない、自らの犯した罪――。
「あ! おい、俺のおかず勝手にとんな!」
みんなは忘れてしまった。 俺と兄の過去――。
『人を信じろ。』
忘れられる筈もない。 最初で最後の兄の教え――。
「じゃーなー」
あれから三年経った今日――。
「今日の晩飯は……久しぶりにカレーにでもするか!」
俺にとって特別な日。 その日の帰り道、夕陽はいつもと違って見えた――。
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