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「っとにお前たちは…」
その夜、謁見の間で王は頭を抱えていた。
「お父様-、ハク先生に頼んでお勉強の時間を短くしてもらってよ-」
リンがニヤリと笑い、父を見上げる。
王はため息をついた。
「12にもなって何を言う。しっかり勉強してお前たちは立派な王にならねば。」
双子は顔を見合わせた。
「ねぇ、前から気になってたんだけど、次の王様って僕らのどっち?」
レンが不思議そうに尋ねる。
「それは、リンとレンがもう少し大きくなったら決める。どちらが賢く立派かか私が判断したら決めよう。」
だから頑張りなさい、と王はつけ加えた。
「リン…」
ベッドの中でレンが問いかける。
「どうしたの?」
「リンは、王様になりたい?」
ふっと夜の静寂が訪れる。
リンは考え込んで呟いた。
「私、なりたい…かな」
「そっか」
レンの表情は優しいものだった。
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