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それから一ヶ月ほど経ったある日のこと。
やはり勉強をせず庭で遊んでいた双子の姉弟。
今日は王と王妃が視察に出ているせいか、厳しく咎める人もいない。
少々退屈してきた双子。
雪に寝転ぶ二人を呼ぶ声が聞こえた。
「リン様!!レン様!!どちらにいらっしゃいますか?!!」
血相を変えた召使は悲鳴にも似た大声で二人を呼ぶ。
「なぁに?そんなに慌てて」
むくっと起き上がったリンに召使が駆け寄る。
「お二人とも大変です!今すぐ来て下さい!!!」
パニック状態なのか、召使は双子の腕を引っ張り無理矢理連れていこうとする。
「ちょ、痛いよねぇ!!」
レンの声に召使が我に返ったのか腕を離した。
「も、申し訳ありません!!」
二人は異常な雰囲気を感じ取り、顔を見合わせた。
「ねぇ、何があったの?」
リンの言葉に、召使は視線を彷徨わせた。
「はっきり言いなさい!!」
思わずリンは召使の襟元を掴む。
「こ、国王陛下と王妃様が…
視察先で事故に遭われ……
御崩御なさいました」
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