彼の国の王宮

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レンは既に泣きじゃくっている。 しかしリンは真剣な面持ちで弟の腕をひいて走る。   自分で確認するまで泣くわけにはいかない。 私は姉だ。自分までうろたえてたらどうしようもない。 どうか…どうか、嘘であって欲しい。         王と王妃の部屋。 バンッと大きな音を立ててドアを開ける。 普段なら、すぐに誰かが怒りに来るはず。       しかし誰も来ない。   そんなこと、今は誰も気に留めない。       ベッドに横たわるのは、紛れもなく王と王妃。   顔にかけられた白い布が、リンの僅かな期待を打ち破った。       「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
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