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あれから数日。
王宮の中は静かすぎる程の静寂が渦巻いていた。
双子は部屋にこもりがちになり、元気に遊ぶ姿は久しく見ていなかった。
泣き続けるレンと黙り込むリン。
12歳の二人にこの突然の悲しみは重すぎた。
しかし無情な現実は、様々な問題を連れてくる。
王宮中の役人は、次期国王を決めるのに必死だった。
王の遺言はない。
双子の姫と王子。
王宮が真っ二つに分かれた。
大人たちの雰囲気を感じてか、二人は自分たちが双子であることに罪悪感を感じ始めていた。
どんどん険悪になる大人たちの雰囲気。
二人はそれが自分たちのせいだと薄々気づいていた。
リンは暗い表情のまま廊下を彷徨っていると、貴族たちが話しているのを見つけた。
この状況をどうにかしたい。
リンは思い切って彼らに声をかけようとした。
「ねぇ、あの…」
「しかし私はそんなこと…」
貴族たちの会話は続いていく。
「私だって気が進まないさ。しかし圧倒的にリン様が有利だとしても、レン様の存在は今後の政治に大きく影響する。」
「私もそう思う。だから、
レン様を殺すしかない。」
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