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初デート
“恋人ごっこ”
三城真祐、つまり“恋人役”と一緒にいるときは、恋人と同等に扱うこと。
真祐の見ていないところなら誰を想ってもかまわない。
真祐を“病人”として特別扱いすることは禁止。
なお、契約の破棄は死が二人を別つまでかどちらかが契約の破棄を相手に告げることでも可能。
恋人と同等なのでデートももちろんする。
……これって、別に恋人とかわんなくない?
そう思ったのは私が真祐とのデート服を選んでいるときだった。
いや、でも“ごっこ”は“ごっこ”だ。遊びだ、子どもの。
それでも何故か楽しみなのだ、思わず普段やることのない化粧までやってしまう。
さて、そろそろ時間だ。出かけなくては。
パタン、とドアを閉める音が静かな廊下にやけに響いた。
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