最後の日常

2/4
前へ
/169ページ
次へ
「えー、ですからー」 ああ、眠い。五時間目の授業は拷問のようだ。 特に私のような窓際族で一番後ろの人間にとっては。 眠いけれど、寝てはいけない。人間の本能に逆らっている。 お腹一杯に食べた後での授業は本当に辛い。 外では一組と二組が体育の授業を受けていた。 五時間目全部のクラスが体育だったらいいのだ。 黒板をうつそうと前を見ると斜め前の日高謙一(ひだかけんいち)がこっちをみた。 心臓が高鳴るのを感じた。彼は口ぱくで何か言っている。 「ひ ま だ よ な」 口の動きからそう言っていることが分かった。 「ね む い」 こちらも口ぱくで返してみる。image=317002288.jpg
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1768人が本棚に入れています
本棚に追加