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「えー、ですからー」
ああ、眠い。五時間目の授業は拷問のようだ。
特に私のような窓際族で一番後ろの人間にとっては。
眠いけれど、寝てはいけない。人間の本能に逆らっている。
お腹一杯に食べた後での授業は本当に辛い。
外では一組と二組が体育の授業を受けていた。
五時間目全部のクラスが体育だったらいいのだ。
黒板をうつそうと前を見ると斜め前の日高謙一(ひだかけんいち)がこっちをみた。
心臓が高鳴るのを感じた。彼は口ぱくで何か言っている。
「ひ ま だ よ な」
口の動きからそう言っていることが分かった。
「ね む い」
こちらも口ぱくで返してみる。
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