最後の日常

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日高は太陽のように明るい笑顔をこちらに向けると、また前に向き直ってしまった。 ……ちょっと残念。 彼に片想いして二ヶ月がたつ。やっぱり恋をするっていうのは良い。 片想いが一番楽しいって言うのは本当だ。 “恋人同士”とかいう関係になってしまうと、お互いが求め合ってしまう。 愛情って言うのは、損益とは違うことは分かってる。 でも、「どうして私がこんなに愛してるのにあの人は返してくれないのか!」とか思ってしまうのだ。 黒板を見ると、株式交付費の計上についてやっていた。 さっぱり分からない。 もういい、この授業は寝てしまおう。 後で誰かにうつさせてもらえば良い。 そう思い、私は意識を闇にゆだねた。
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