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「……なんであんなに綺麗なんだろ…」
ポツリと言葉を洩らす。
その視線の先は我が学園の王子様・北条 由貴人(ホウジョウユキヒト)人よんで“氷の王子様”であった。
彼は今自分の席の回りで友達とお喋りをしている。時々小さく笑っている顔は本当に綺麗で遠くから見ても思わずドキッとする。
そんな彼を頬杖をつきながら観察しているのが私・槙 楓(マキカエデ)である。
…え?苗字と名前の漢字両方に木が付いててなんか変??
……ほっとけやぃ。ウチだって好きでこの名前やってるワケじゃありませんから。
一人でツッコミ入れていた事にため息し再び王子様に目を向ける。
まっ白い肌。サラサラな少し茶色がかかった髪。優しそうなつぶらな瞳。ぁあ思わず吸い込まれ……………
「…気持ち悪いんだけど…」
ビクッと我にかえり、キョロキョロとあたりを見回す。
まっまさか見てたの王子様にバレた?!
しかし予想とは裏腹に後ろから声が降ってくる。
「大丈夫よ。私よ私」
振り返ると我が親友と呼べる存在が私を冷ややかな目で見ていた。
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