☆Trick 1★

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よく漫画や小説では学校のアイドル的な男の子がいる。回りの女の子達も勿論その男の子に夢中なワケで…。だけど主人公の女の子だけはそんな魅惑にひっかからなくて結局そんな女の子を気に入って最後にはその子と付き合っちゃうケースが多い。 だけど私は思う。主人公の気持ちが分からない、と……。 普通学校のアイドルを前にして自分を捨てたキャラで変な事を口走っちゃうのは実際には絶対出来ないと思う。 アイドルに惚れない人が主人公なら私は一生主人公になれないだろう。なりたくもないさ。 今読んでる小説の本を閉じ、一人うんうんと頷く。 ちなみに今はお昼休み。…ほんっと時がたつのって早いよね。 「何読んでたの?」 ひょいっと千晶が顔を出す。千晶サマ……いつのまに… 「ん。ベタな恋愛小説」 貸して、と千晶は珍しく私から物を借りる。 少しの間千晶はパラパラとその小説をめくっていた。 一通り見終わったのかなるほどね、と言って私に小説を返す。 「アンタが嫌いそうなベタな小説よね」 「よくわかったね千晶」 「まぁ私も嫌いだし。大体なんでこんな展開になるのよ?現実ではありえない話だわ」 本気で嫌いな顔をする千晶サマ。 まぁ、そうだよねぇ… 「実際に起こらない…だからいいんじゃない?現実逃避ってやつ?」 「……一理あるわね。アンタにしては珍しい」 千晶サマひどい…(泣
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