ネガティブとクーデレ

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しおり「んっ…ん…ぷはー。久しぶりに杏理ちゃんが泊まりに来てくれてお姉ちゃん嬉しいわー」 タン!と、チューハイの缶をテーブルに置くと、しおりは左の正面に座る杏理に飛びつくように抱きついた。 ちなみに、夕食が始まってからお酒はすでに今が11缶目。 しおり「すりすり~」 お酒で顔を赤く上気させたしおりが嬉しそうな表情で杏理にベッタリとくっ付いて頬ずりをしている。 未成年者であるはずのしおりはチューハイの缶が十を超えると本格的にベロンベロンに酔ってきて、濃く絡んでくる。 その絡み相手というのは基本的には優のことなのだが… 杏理「わ…わっ…くすぐったいですよ」 しかし、そんなしおりの濃い絡みにも杏理はまんざらでもない様子で受け入れている。 優(こうして見るとなんか…本当に仲の良い姉妹みたいだ) その光景を微笑ましく眺めながら、今日の夕食の…しおり特製の杏理の好物であるグラタンをスプーンですくって自身の口元へと運ぼうとした時だった。 しおり「んちゅ…」 杏理「ンーーっ!?」 しおりが杏理に濃厚な口付けをした。 優「………………」 優の顔が、一瞬ぽかんとした素の驚きを見せ、その頬が真っ赤に染まり唖然とした様子で、二人を凝視する。 スプーンを持つ優の指は、鉄になってしまったかのように硬く強張っていた。 杏理「や…しおりさんだめっ……!」 しおり「ふふ、杏理ちゃんカワイイ」 キスだけに止まらず、さらにしおりは杏理の胸を揉みしだき始めた。 杏理「あ…」 杏理が、驚きと戸惑いでぱちぱちと何度か瞬きしてから、ふいに優と目が合う。 優「ぅ…」 そんなうるんだ目で『助けて』と訴えかける杏理の視線に優は下に俯いて戸惑いながらも席を立ち上がった。 優「ね…姉さん。さすがにこれは…やりすぎなんじゃーー」 ないの?、と言いかけて しおり「なぁに?優もさわりたいの?」 優「へ?」 ぱちくりと目を瞬かす優の手をしおりが強引に引いた。そしてーー ーむに しおりに引かれた右手にとても柔らかい感触がひろがる。 徐々に目線を下にずらしていくと、まるで時が止まったかのように優の表情が凍りついた。 杏理もまた不自然な姿勢でフリーズし、目線は自身の一部におとしたままだ。 優「う、うわああ!?」 という優の叫びを、 杏理「きゃーーーっ!」 という女の子の叫びが上書きした。
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