お菓子をください

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「んー!やっと終わった。」 アカデミーの職員室。 イルカのデスクの上には、今日、担当クラスで実施した『忍具使用に関するテスト』やら、教材のプリントやら、アカデミーの授業で使う書類やらが積みあがっている。 テストは、少し簡単すぎたかな?と思うくらい出来がよかったので安心した。 ちょっと汚いが、『80点以上の点数取れないと再テストと補習だぞ!』とプレッシャーをかけておいてよかった。 しかし、そうしないとテスト勉強をしない生徒がいることが今の悩みだ。 勿論、プライベートなことを除いて・・・だ。 まぁ、今まで教師をやってきて、もう慣れてしまったことだけれども。 なんだかなぁ。 心配になってしまう。 「お、イルカ。早いじゃねえか。この後、受付入ってるのか?」 「いや、今日はこれで上がり。お前もあと一息じゃないか。がんばれよ!」 同僚と喋りながらメッセンジャーバックの中に荷物を入れ、職員室の壁に掛かっている時計を見やると、意外にもまだ午後7時を過ぎたところを指していた。 こんなに早く仕事が終わるなんて思ってもいなかった。 なんだか得した気がして思わず笑みがこぼれる。 帰りは何か美味しいものでも買って、あの大きな犬の家に行かなければ。 あ、ちなみに、大きな犬というのは・・・里の誉れの上忍、はたけカカシのことだ。 俺は、その、はたけカカシと付き合っている。
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