烙印

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「あなたを好きになった。だれよりも あなたを愛している。いつだって どうして声は届かないの いつも傍にいるのに どうして指が触れ合わないの 寄り添っていたいのに」 涙がでるほど痛い「想い」がある 胸が苦しいほどの「想い」がある ただそれだけの。 あなたを想うがゆえの傷跡が 灼けるような熱をもって この身を急かす はやくあなたに逢いにいけ、と あなたを想うそのための傷が 生々しいほどの痛みをもって この身を急かす あなたをはやく捕まえろ、と 自由に生きるあなたには 地上でもがく姿など 目に入らない 血を流し 涙を流し それでもなお あなたに手が届くことなどないと知っている (いまさらでしょう、そんなこと) 哀しい…だけだから あなたと共に 生きたいと 想うがゆえの過ちが あなたと共に 行きたいと 想うがゆえの傷跡が 「あなたを好きになった だれよりも あなたを愛している いつだって ただ、それだけなのに」 すべて 罪人の 烙印のようで
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