◆何者!?◆

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男性はゆっくりと肩に乗っている猫に手をかざした。 すると、猫が淡い光に包まれた。 「!?」 その猫の光で照らされた男性の顔。 病気なのかと思う程かなり青白く、とにかく生気の無い顔をしている。 そして、光に包まれていた猫は形を変えていき、光が消えると男性の右手には、レイピアと呼ばれる刃先が針のように尖った武器が握られていた。 「しまった、少年逃げろ!」 煉の後ろで猫のおもちゃが叫ぶ! 猫が武器になったとか、男性の様子がおかしいとか瞬時に色々考えパニックになりかけたが、煉の体は震えながらも落ちていた鉄パイプを拾い構えていた。 男性の明確な敵意が煉にそうさせたのだろう。 「(通り魔、武器は刃先が尖ってる、あの形状なら突きが来る? 避ける? 迎え撃つ?)」 煉の頭は段々と落ち着いてくる。 それが煉の長所でもある。 試合や緊迫とした場面に直面した時、煉は一旦冷静になろうとする。 そして、男性はレイピアを振り上げ、煉に向かって真っ直ぐ振り下ろす。 「!!」 煉は間一髪横にかわし、隙だらけの男性の手目掛け鉄パイプを振るった!! 「こて!!」
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