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「それで? 用は?」
華月は少女と真向かいのソファーに座り、缶コーヒーを開けながらそう言った。
「しらばっくれないで……何をやったか……自分で分かってるはず……」
女の子の目は鋭く、喋るだけで華月は威圧感を感じる。
「……悪いね。分からないよ」
「……先日……捕虜として捕まえてた……セイバーナイトが……姿を消した……」
「へぇー」
華月はコーヒーを飲みながら、女の子の話しに興味が無い感じで聞いている。
しかし、それでも女の子は話しを続ける。
「森羅公園の出来事……私の人形を通して見てた……弟さんに渡した猫と……姿を消した猫……すごく似てる……」
「……それが何か?」
「立派な裏切り……でもまだリーダーには……報告してない……私だから……よかったけど……他の人が見てたら……首飛んでたよ?」
「次から気をつけるさ」
華月は缶コーヒーを飲み干し、缶をごみ箱に投げた。
缶は大きく孤を描きながら飛んでいき、そして見事に外れる。
「……弟さんが……大事なんでしょ?」
「俺らの計画、第一段階で、まず一般人は生き残れない。可能性があるのは武器猫の所持者だ」
「……だから……力を与えた……」
「生き残ってくれりゃ、なんでもいいさ」
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