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「そういえば煉は?」
泰陽は辺りを見渡しながらそう言った。
「煉なら……疲れて寝てるよ」
重傷で寝込んでいると言えば、それをやったのは華月な為、泰陽はきっと自分を責めると里奈は思い、嘘をついた。
「……本当か?」
泰陽はうたぐり深い目で里奈を見る。
「う、うん。本当だよ」
「里奈ちゃん、気ィ遣わなくていいから。友達が家にいるのに、寝てるとか、煉の性格じゃありえない……俺みたく気絶してんのか?」
嘘をついても無駄だと思った里奈は、正直に話すことにした。
「……レーザーみたいなので、脇腹を貫かれた。止血はしたけど、意識がないの」
「何だって!?」
それを聞いた泰陽は、驚いた後すぐに2階の寝室に向かう。
ベッドを見ると、煉はまだ意識が無い状態だった。
「悪い、煉……俺の馬鹿兄貴のせいで……本当に悪い……」
里奈が思ったとおり、やはり泰陽は自分を責め始めた。
「泰陽は悪くないよ!?」
「うむ、拙者もそう思う」
里奈と沙助は落ち込んでいる泰陽に言った。
「悪いに決まってる!!……百歩譲って悪くないにしても、悪いと思わなきゃ、まともに煉の顔を見れねぇよ」
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