◆太陽と月◆

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「泰陽……そろそろ帰った方がいいよ? 親も心配するし……煉はあたしが診てるから」 これ以上、泰陽が居ても自分を責めるだけだと思った里奈はそう言った。 「あぁ……悪い、そうするよ」 暗い表情のままドアを開け、泰陽は部屋を出て行った。 すると…… 「泰陽……帰った?」 煉が上半身を起こして、熱があるためか、だるそうに言った。 「煉!? 起きてたの!?」 「今……起きたんだけどね。そしたら泰陽が出て行ったから……」 「怪我は!? 痛むとこ無い!?」 「大丈夫だよ……脇腹がちょっと痛いけど、里奈が治療してくれたんでしょ?」 「そうだけど……」 「ならきっと大丈夫だよ……それより沙助達に聞きたいことが少しあるんだ」 煉は沙助や菊の方を見て言った。 「拙者達に? 今更何を聞きたいんだ?」 煉は華月との会話を思い出していた。 華月から得た情報を再確認する為と、華月の猫について情報が欲しかった。 「まずは……猫って鼻でダークかセイバーを見分けるらしいけど……武器猫は皆鼻がいいの?」 「うむ、そうだ。仲間を探す時は、匂いを頼りにしている」
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