◆何者!?◆

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「アアアァァァ!!」 バキン!! 男性の奇声と共に甲高い金属音が路地裏に鳴り響く。 攻撃直後で隙だらけだった筈の相手の方が早く反応し、レイピアでパイプは見事に折られてしまった。 本来と違う使い方でもレイピアと鉄パイプでは差がありすぎた。 煉は瞬時に辺りを見回すが、武器になりそうな物は無い。 「(早い!? 見えなかった!! 武器になる物もない! と、通り魔に殺される!?)」 最悪な状況。 レイピアで貫かれ血を吹き出す場面を咄嗟に考えてしまった煉は足が竦んでしまう。 そんな時だった。 突然、煉の左肩に先程のおもちゃの猫が飛び乗った。 「拙者の尻尾を握れ!! 早く!! 少年なら拙者の武器の魂を具現化出来る筈だ!!」 握れと言わんばかりに尻尾を振る猫。 「おもちゃの猫!! よ、よく分かんないけどこの状況をなんとか出来るんだよね!? ていうか、もうどうにでもなれ!!」 煉は半ばヤケクソ気味に右手で猫の尻尾を握った。 すると猫は一旦光に包まれ、光が消えると煉の右手には綺麗な直刃の刀が握られていた。 「ね、猫が武器になっちゃったぁ!?」 「そのリアクションは嬉しいが驚いている場合ではないぞ!!」 刀が小刻みに震えると同時に喋った。
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