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いつも通り猫に外傷は無い。
だが武器としての魂は死んだ為、もうただの猫だ。
男は気絶して、倒れてしまった。
「煉、大丈夫?」
腕輪を外しながら里奈は言った。
「……うん」
「病気なら、無理して合宿来なくてもよかったのに。とりあえずそこの男の人はあたしが運ぶから、煉は寝たら?」
「でも修行は?」
「休みなさい!」
「……はい」
そして、里奈はまた腕輪をはめて、巨体の男を抱え、山のふもとまで走り出した。
里奈が去った後、煉は里奈の言う通りに寝ることにした。
刀を手から離し、猫に戻った沙助は首を傾げていた。
「煉、お前は病気だったのか?」
「……違うよ」
「拙者、あまりこういうことは言いたくないが、最近煉は足手まといではないか?」
「……そんなことは……自分が一番知ってるよ。」
煉は俯きながら呟いた。
「拙者にとっては、たった一人のパートナーなんだ。もっとしっかりしてくれ」
「……うん」
そして、煉と沙助は部屋に戻って行った。
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