10773人が本棚に入れています
本棚に追加
午前の練習中に、生徒会会長の美雪が体育館にやって来た。
そして手招きで啓吾を呼んでいた。
啓吾だけは練習を中断して美雪の所へ駆け寄る。
「何だよ、練習中だぞ? それに誤解されたらどうすんだ」
「そんなことより、これ見て下さい!」
美雪が取り出したのは、一通の封筒。
啓吾は封筒を受け取り、中身を取り出した。
「手紙?」
啓吾は内容を見て驚いた。
「何だよ……これは……」
「これからどうしますか?」
「とりあえずは夜を待つ。それに手紙を使うってことはびびってる証拠だ。人質ってのは驚いたが、困る事はない」
啓吾は手紙を封筒に入れて美雪に返した。
「生徒会もやることあるんだろ? これはほっといて、さっさと戻れ」
「……分かりました。練習頑張って下さいね」
「わかったわかった」
そうして、美雪は旅館に戻って行った。
啓吾が練習に戻ろうと思ったとき、剣道部や他の部活の人達が、啓吾をじっと見ていた。
そして草部がニヤニヤした表情で啓吾に言った。
「練習中にラブレターですか……先輩は青春してますね」
「……!?……ちげぇやい! 誤解すんじゃねぇ!」
最初のコメントを投稿しよう!