10773人が本棚に入れています
本棚に追加
「ウェーイ! フラッシュだぜ!」
泰陽が手札を床に叩きつけて叫んだ。
あの後、泰陽が目を覚まし、またポーカーで布団を敷く係を決めているのだ。
今回は地味も参加し、結局、
地味がフルハウスで1位
泰陽がフラッシュで2位
煉がスリーカードで3位
草部はノーペアでまたビリになってしまった。
「……」
草部は自分の両手を見つめ放心状態だ。
「流石に二日連続ビリだと落ち込むよね」
そんな草部を煉は必死に慰めていた。
「ここまで俺には運が無いのか? 神様は俺が嫌いなのか?……俺だって神様なんて大嫌いだ! チクショウ!!」
悪態をつきながらも、草部は布団を敷き始める。
「それにしても地味はポーカー強いんだね」
煉は草部が布団を敷いているのを横目で見ながら、地味に言った。
「ぼくは……(存在感が薄いからイカサマがばれないなんて言えない……………言えないよ)」
地味は何故か体育座りをして部屋の隅でふさぎ込んでしまった。
煉は不思議に思ったが、とくに気にしなかった。
「さてと、僕、ちょっと飲み物買ってくるよ」
「じゃあ、コーヒーも頼んだ!」
「うん、わかった」
草部の注文を受け、煉は部屋を出て、旅館の1階ロビーにある自販機に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!