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呼ばれた猫は啓吾の肩に乗り、啓吾は猫に小声で何かを言った。
頷いた猫は煉を見て頭を下げる。
「はじめまして、僕は《双太(ソウタ)》といいます」
「えっと、はじめまして斎藤 煉といいます」
猫がお辞儀をしたので、煉もつられて頭を下げる。
「煉にも聞こえてる……驚いたな……お前の猫はどこにいるんだ?」
「えーと……わかんないですけど、多分その辺散歩してると思います」
「そうか……本当に驚いたよ」
啓吾は驚いたと言いながら、嬉しそうな顔をしていた。
「先輩、色々と聞きたいことがあるんですけど」
「おう! 何でも聞け!」
「先輩は奴らの《計画》について何か知ってますか?」
他にも聞きたいことがたくさんあったが、煉にとっては最初にこれが知りたかった。
泰陽の兄、華月の話しによれば、奴らの言う《計画》で最初の被害に遭うのは日本と言っていた。
ただでさえ武器猫には謎めいた部分があり過ぎるため、日本に一体何が起こるのか不安でたまらなかったのだ。
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