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「悪いな。計画のことは知ってるが内容までは分からない」
啓吾は質問に答えられなくて、ばつが悪そうな顔した。
「そうですか……」
「計画は知らないが、他のことなら分かるな。例えば敵の数とか」
「敵の数?」
「あぁ、7つの隊があるのは知ってるだろ? 日本で活動してるのは、2つらしい。芹隊と御形隊だったな」
「芹隊……」
煉は芹隊に聞き覚えがあった。
華月が自己紹介した時、彼は自分は芹隊の隊長だと言っていた。
「ん? 芹隊がどうした?」
煉があまりにも深刻そうな顔をしていたので、啓吾は気になり聞いてみた。
「……芹隊の隊長には会ったことがあるんです」
「本当か!? どんな奴だった!? 武器は!?」
「武器は弓でした」
「弓……か」
「他にも芹隊の隊長について話すことがあるんです」
煉は華月と出会った日のことを話し始めた。
泰陽のお兄さんだったこと。
計画について少し教えてくれたこと。
自分が戦えなくなったこと。
煉にとってかなりの恐怖を叩き込まれた日を忘れる筈がなかった。
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