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泰陽以外の3人は武器を具現化した。
里奈の腕輪を見た啓吾は、少し驚いたような表情をする。
「腕輪?」
「治癒能力と肉体強化です」
「珍しい武器だな。煉は刀か……剣道やっててよかったな」
「それは置いといて、とりあえず何するんですか?」
「んー、ぶっちゃけ、属性具現に修行方法とか無いから組み手とか、筋トレだな」
それを聞いた煉と里奈はがっかりしたような顔を浮かべる。
「まず己を鍛えよってことね」
里奈は溜め息をつきながらそう言った。
「組み手って先輩とですか?」
「もちろんだけど、それがどうした?」
「勝てないですよ。僕ら属性具現使えないんですよ?」
「おいおい、雷の力なんて使わなくてもお前らには勝てるさ」
挑発したように言った啓吾の言葉が、まさに挑発となり二人を怒らせた。
「……言ったな?」
煉と里奈は額に怒りマークを浮かべ二人揃って言った。
「ハモってる……」
「仮にも僕ら、県大会優勝と……」
「全国ベスト4に残ってる武道家ですよ?」
「俺は試合だと勝てないんだよねぇ、緊張して」
啓吾は剣道の実力なら煉より上だが、試合になると緊張から来る腹痛で勝てなかった。
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