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「本気で来いよ? 特訓にならねぇからな」
啓吾は刀を構えて言った。
「里奈、ちょっとやりたいことがあるから、僕に任せて」
「……わかった」
里奈が一歩下がると同時に煉は刀を構える。
(これは組み手なんだ。前に無茶なガードして腕折ったことがあるから、どうせなら回避とか受け流しとか防御面を意識して練習してみよう)
「行きます!」
煉は地面を蹴り啓吾に突っ込んでいった。
そして、刀を啓吾の顔に向けて振った。
当然ながら、啓吾はそれを刀で防ぐ。
だが、煉は攻撃の手を休めること無く、次々と刀を振るっていく。
「うおぉぉぉ!」
「攻撃こそが防御なり……ってか? 甘いな」
啓吾は煉の攻撃を刀で防いだ瞬間、もう片方の刀の峰で煉の脇腹を狙った。
(避けなくちゃ!)
煉はそれをしゃがんで避ける。
しかし、しゃがんだ時には煉の顔面目掛け、啓吾の蹴りが迫っていた。
「避けれない!」
咄嗟に両手をクロスし啓吾の蹴りを防いだが、衝撃で吹っ飛ばされた。
「くっそー!」
「煉、やりたいことって何だったの?」
「避ける練習がしたかったんだけど、上手くいかないや」
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