◆激戦×決意◆

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既に旅館の前にはバスが停まっていた。 「じゃあな、ばあちゃん」 「また顔を見せに来ておくれよ?」 「わかってるよ」 啓吾や他の人達は旅館の女将に挨拶を終え、それぞれ部活毎にバスに乗り込んだ。 「ふぅ、疲れた」 泰陽は呟きながら席に座った。煉が窓際で隣は泰陽だ。 「僕の方が疲れたよ。部活と特訓を両立してたんだもん」 煉が言うと、後ろに座っていた草部が前の席に身を乗り出す。 「俺の方が疲れたし! 結局ポーカー一度も勝てなかったし! 布団毎日敷いたし!」 「草部……同情するよ」 「同情するなら運をくれ!」 「……」 顧問の先生が出席確認をし始めた。全員いることを確認すると運転手さんに合図をし、バスは走り始めた。 「もう日が沈んできてる」 煉は窓の外の景色を眺めながらそう呟いた。 しばらく経つと…… 「なぁ、ポーカーやらね?」 草部がトランプ片手にそう提案してきた。 「……そんなに悔しいの?」 「ばっ! ちげーよ! 一度は勝ちたいなぁ、なんてこれっぽっちも思ってねぇよ!?」 「……」 「同情なんてすんじゃねぇ!!」
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