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その頃、東丘高校屋上では5人の人影があった。
その一人はもちろん轟木 剛で、他は彼の部下。
「反応はまだ無いのか?」
剛は、隣で目をつぶって正座しながら集中する男に聞いた。
その男の猫の属性具現は《結》。自分のいる県だけに結界を張り、結界の中にいるセイバーナイトを正確に感知出来る属性だ。
「無いですね。ちらっと一つだけ反応があるんですが、消えたり、出現したりとよく分からない反応で……」
この反応は、泰陽に置いていかれた晴也だった。泰陽の住んでる場所が県と県の境目なので、結界が上手く働かないのだ。
「空井の弟はここに住んでるんじゃねぇのか? 一体どこに消えやがった……」
剛は腕を組みイライラしながらそう言うと、男は目をそっと開く。
「もしかしたら、合宿に行った可能性も……」
剛の部下が恐る恐る言った。
「あいつは部活に入ってないと調べたのはお前だろ? それとも何だ? 帰宅部にも合宿があるってか? 部活やってねぇのに合宿行く馬鹿はいねぇだろ」
実際にその馬鹿は存在してるのだが、剛は否定した。
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