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「ちっ、興ざめだな。帰るか……」
剛は振り返り帰ろうとした瞬間、とうとう剛の待ち望んだ時がやってきた。
「……!!……反応が出ました!!」
「何!?」
剛は半ば嬉しそうな顔をして、男に歩み寄った。
「……これは……バスに乗ってるのか?……それに高速道路を走ってる……反応は4つです!」
「4匹もいるのか!?……空井の弟かどうかは知らないが、暇つぶしにはなるな」
剛がニヤけながら言うと、剛の肩に乗っている猫が眉間にしわを寄せる。
「暇つぶし? お前の悪い癖だ。油断大敵の意味は知ってるだろ?」
「ハッハハ! オーガ、俺を誰だと思ってやがる? 御形隊の隊長だぜ?」
「何の根拠にもなっていないがな」
オーガと呼ばれる猫はため息をつきながら言った。
すると他の部下達が……
「4匹もいるなら、俺達にも分けて下さいよ?」
「ハッハハ! 心配するな。俺の狙いは一人だけだからな。他はくれてやる」
「女の子はいるかなぁ!? 女の子はいるかなぁ!?」
太り気味で眼鏡を掛けている男は興奮しながら言った。
「わかったわかった、女がいたらおめぇにくれてやる」
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