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そしてしばらくすると、学校の校門が見えてきた。
5台のバスは校門の前に順番に並んで生徒はバスから降り始める。
合宿から解放されたからか嬉しそうに体を伸ばしたり、もしくはバスで寝ていたからか欠伸をしている生徒等がたくさんだ。
美雪はバスから降りると、真っ先に眠そうな表情の啓吾の所に向かう。
「啓ちゃん!」
「あんま慌てんな。それと頼みたいことがあるんだが」
「わかってます」
美雪は頷くと、すぐさま近くにいる先生の所へ駆け寄った。
「先生!」
「ん? 会長さんじゃないか」
「先生達はこの後どちらへ?」
「合宿で疲れてるからね。先生達も今日は帰りますよ」
「じゃあ、学校に少し用があるので鍵を貸して貰ってもいいですか?」
「本当は駄目なんだが、会長なら大丈夫だろう」
先生はなんの疑いも無しに美雪に学校の鍵を渡した。
しかし、実は鍵が目的じゃなく、先生が学校に行くかを知りたかったのだ。
学校には人が来ないことを言いに行こうと啓吾の元へ戻る。
すると啓吾の後ろには既に煉、里奈、泰陽の3人がいた。
「こいつらには事情は話した」
啓吾は親指で後ろの3人を指しながら言った。
「はい、学校に人は来ないみたいです」
「なら、一般人にバレねぇように暴れるか……」
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