10773人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、5分後。
既に辺りには生徒と先生は一人もいない。バスも帰って行った。
「啓吾先輩、本当にダークナイトがいるんですか?」
煉は事情を聞いているが、ダークナイトが学校にいることを何故知ることができたのか分からない為にそう聞いてみる。
「あぁ、美雪のサーチ能力は正確だよ」
「ってか俺猫いないんだけど……」
泰陽が苦笑いしながら言うと……
「あれが空井君の猫なら恐らくもう来ます」
美雪は誰もいない所を指差しながら言った。
すると、美雪が指差した方向から1匹の猫が走ってくる。
「おぉー! 晴也ぁー!」
泰陽は両手を広げ、晴也を迎える構えをしたが……
「何で俺を置いて行ったんスかぁー!!」
ザシュ! っと気持ちいいぐらいに物体を引き裂く音を立て晴也は思いっきり泰陽の顔を引っかいた。
「痛ぁーー!!」
「当然の報いっスね」
そして里奈は美雪と話していた。
「武器が無いのに、なんでサーチ出来たんですか?」
「あなたと同じ、これが武器です」
そう言って、美雪は右手に持つ扇子を里奈に見せてくれた。
「これが……?」
「そうです。あなたと同じ人を傷つけない武器です」
美雪が里奈に微笑みながら言うと、啓吾が皆の意識を自分に向ける為に音を立てるように両手を叩く。
「お前ら、話しは終わりだ。そろそろ行くぞ」
最初のコメントを投稿しよう!