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「ハッハハ!! 気の早い奴だ!!」
剛も猫に手をかざし、長さが2mぐらいで幅が1mぐらいある大剣を具現化する。
それを合図にグランドにいる全員が武器を具現化した。
「倉重(クラシゲ)、俺とあの弟を残して、アレをやれ」
剛に倉重と呼ばれた男は頷くと、具現化したレイピアに左手を添える。
「了解しましたよ。属性具現……《正》!」
すると、倉重の持つレイピアが光り始めた。
カタカタ
段々と近付いている戦いの幕開けを感じ、煉の刀を持つ手は震えている。
(平気で人を殺せる奴らが目の前にいる……)
煉の様子を察した啓吾は、敵から目線を外さずに辛辣な言葉を言い放つ。
「戦えないのなら帰れ」
「大丈夫……です」
「……そうか……なら足手まといにはなるなよ」
「分かってます」
「ならいい。とりあえず最初に全員で隊長を潰すぞ」
「はい!」
啓吾の作戦にセイバーナイトは皆、そう返事をする。
すると、煉達の様子を見ていた剛は微笑した。
「俺を潰すか……無理な話しだ……始めろ!」
「了解……《正なる領域(サンクチュアリ》!」
倉重の持つレイピアが強烈な光りを放った。
光りはグランドを包み、煉達の目は眩しさで何も見えなくなった。
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