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◆啓吾VS武田(タケダ)◆
「ここ……何処だ?」
啓吾は真っ白い部屋を見渡しながら言った。
すると……
「ここはサシで戦う為の部屋だ」
啓吾の前方に、斧を持った男が立っていた。
工事現場で見かける作業服を着ていてニット帽を被った中年の男性だ。
何故か右腕に甲冑の腕の部分、いわゆるガントレットと呼ばれる鎧を装着している。
「よく分からんが、とりあえずは属性具現の能力だろ?」
「まぁ、簡単に言えばそうだな」
「んでお前を倒せば、出られるんだろ?」
「いや、この空間から出るには、本体を叩かなきゃ駄目だ」
「ってことはあのレイピア野郎か……」
「あぁ、そうだ」
「じゃあ、煉か木村に任せるしかないな」
啓吾はため息を吐くと、やれやれといった感じに双剣を構える。
(ちっ、空井が心配だな。隊長相手に何分持つか……)
啓吾がそう考えていると、武田の持つ斧が微かに光り始める。
「属性具現……《読》」
啓吾の双剣も色が金色になっていき、電気を帯びていく。
「属性具現……《雷》」
啓吾の双剣を見て、武田は微笑した。
「……電気か……わかりやすいな」
「お前は逆にどんな能力か全然わかんねぇな(そういえば美雪はどうなった? あいつ、戦闘向けじゃねぇんだけどな)」
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