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「あの……もしかして私、いけないことをしたのでは?」
突然、美雪は控えめにそう言い出す。
「へ? いきなり何言いだすんですか、川田先輩」
「私、レイピアを持っていた男性が属性具現を使う時、怖くなって木村さんの服を掴んでたんです」
「だから、一緒に飛ばされたのか……でもあたしは先輩が来てくれて気が楽になりましたよ?」
里奈が笑顔でそう言った瞬間、小田倉が里奈を指差しながら興奮し始めた。
「君のその優しい言葉、萌えぇぇぇ!!」
小田倉がそう叫ぶと同時にピンク色のオーラが勢いを増す。。
それを見た里奈は驚いていた。
「え!? デブが燃えた!?」
「違うよぉぉ! 燃えたんじゃなくて、萌えたんだよぉ! 燃えと萌えでは火力が違うんだよぉぉ!」
「ややこしいな! もう!」
「そのツンツンした態度も萌えぇぇ!」
オーラは更に勢いを増す。
美雪はそのオーラを見て違和感を感じたのか、険しい表情になる。
「木村さん、あまりあの方を刺激しない方がいいです」
「え?」
「気付いたのかなぁ? 僕の猫の能力は、萌えれば萌える程、僕の肉体が強化されるのだぁぁぁ!」
「そ、そんな!」
「木村さん、あの方のオーラ、既に2回勢いを増してます。気をつけて下さい」
美雪は真剣な顔で里奈にそう忠告した。
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