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「さぁ、僕を萌えさせてくれよぉー!?」
小田倉はいきなり地面を蹴り突っ込んで来た。
「くらえぇー!」
小田倉は走ってきた勢いを乗せたパンチを繰り出してきたが、里奈はそれを右手の甲で払うように弾く。
そして、隙ができた小田倉の腹を蹴り飛ばす。
「痛ぁぁい!」
「休ませるか!」
里奈は吹っ飛んだ小田倉との距離を一瞬で詰め、得意の上段蹴りを放とうとしたが、そんな状況の小田倉の視線はあらぬ方向に向いている。
「ちら見スパッツ萌えぇ!!」
「え!?」
里奈は慌ててスカートを押さえ距離を取った。
今日は学校の制服だったのを完璧に忘れていたのだ。
「うほほぉー! 君達なかなか萌え要素たっぷりだねぇー!」
「うざったいなー! まぁスパッツだったからよかったけど……でもまたデブが強化しちゃった」
「うーん、女の子の私達には不利ですね……」
美雪は悔しそうにそう呟く。
「不利というか、アレ完璧に女子が相手の場合専用の能力ですよね」
「……困りましたね」
「とりあえず川田先輩は下がってて下さいね?」
里奈は美雪の前に一歩踏み出しそう言った。
「いや、サポートはさせていただきます」
「サポート?」
「えぇ、サポートです。属性具現……《花》」
美雪が扇子を広げた瞬間、美雪の周りに赤、黄、緑、桃、黒の5色の花のつぼみが床から生えてきた。
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