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「花?」
里奈は美雪の属性具現を見ながらそう呟いた。
「困りました……実は花の色毎に花粉に能力があるんですが……花粉を運んでくれる虫さんがここにはいません……」
「じゃあどうするんですか?」
「とりあえず花が咲くまで時間稼ぎをお願いできますか?」
「わかりました!」
里奈はそう言って、小田倉の方を向いた。
「あの花……なんか怪しいから先に眼鏡ちゃんをやっつけよぉー!」
小田倉は早速、美雪を指差しながらそう言った。
花が咲くまで5分。里奈は美雪を守らなければいけない。
「行くぞぉー!」
小田倉はそう言うと四つん這いになり、両手両足で地面を蹴り急接近してきた。
「早い!?」
里奈は驚きながらも、しっかりと小田倉を見据える。
3回強化された小田倉の身体能力は里奈に並ぶ程だった。
「くらえぇぇ!」
小田倉のパンチを里奈は手の平で受け止める。
里奈はそのまま、小田倉の拳を掴み投げ飛ばした。
とりあえず距離を取って時間稼ぎをすることが、里奈にとって精一杯だった。
(ガチで闘うと多分負ける気がする……とりあえず余計な動きや発言は控えないと、デブが強くなっちゃうな)
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