◆激戦×決意◆

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里奈のかかと落としは地面にクレーターを残す程の威力だった。 しかし、手応えがまるで無い。 「避けられた?」 里奈は辺りを見渡すと、小田倉は遠い所にいた。 「かかと落とし直前の肉体強化で避けたのか」 「危ないなぁー。でも4回も強くなれば、君達なんてイチ殺だねぇ」 小田倉はおどけた感じで言った。 その時里奈の右腕に激痛が走る。 「うっ!? 右腕が折れてる……」 床に叩きつけられた時に里奈は右腕が折れてしまったらしい。 「すいません、先輩。時間稼ぎに集中し過ぎて離れ……?」 里奈はそう言いながら、美雪の方に振り返ると驚いたような表情になる。 美雪の周りにあった巨大なつぼみは開き、花になっていたのだ。 そして美雪は扇子で里奈の折れた右腕をさすった。 「治った……」 里奈は腕を動かしながら呟いた。 「桃色の花の花粉は癒しの力があるんです」 美雪は花粉を扇子に付けて、里奈の右腕に振り撒いたのだ。 「本当は花の香りに誘われた虫さん達は私が操れるようになって、それで花粉を運ぶのですが、虫さんがいないので扇子で代用したんです」 「まさにサポートですね。ありがとうございます」 「どういたしまして」 美雪は笑顔でそう言うと、里奈は遠くで何故か踊っている小田倉を睨みつける。 「ある程度の傷は自分で治せます。先輩は離れてて下さい。あたしはもう一踏ん張りして来ます!」
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