10773人が本棚に入れています
本棚に追加
「むふふぅー。僕に勝てるかなぁー?」
「勝ってみせる!」
そして里奈と小田倉は同時に走り出す。
二人は同時に右手で拳を突き出し、左手で受け止める。
そして取っ組み合いになった。
「肌スベスベだねぇー?」
「気持ち悪いな!」
里奈は小田倉の股間に蹴りを入れると……
「うっほぉーー!?」
小田倉は股間を押さえ床を転がり始める。
「今だ!」
里奈はその隙に小田倉のハチマキを奪おうとしたが、小田倉は素早いバックステップで避けた。
すると、里奈の足が一瞬ガクンと崩れる。
「合宿での疲れが……」
里奈の体は合宿での疲れと肉体強化の反動で限界にきていた。
そのため小田倉の速さに追い付けなくなっていたのだ。
「こうなったらぁー……分身だぁー!!」
小田倉はそう叫ぶと、往復幅跳びのようにサイドステップを始めた。
「分身って、まさか……」
高速サイドステップにより残像が残り、里奈には小田倉が二人いるように見えてきた。
「ダブルパンチをおみまいだぁー!!」
「所詮、本物は一人!」
最初のコメントを投稿しよう!