◆激戦×決意◆

24/69
前へ
/845ページ
次へ
「う!?」 小田倉は里奈の腹を思いっきり殴り、吹っ飛ばした。 壁に激突した里奈は、傷はあまり無いものの、疲労が溜まり立ち上がることすらできなくなる。 「大丈夫ですか!? 里奈様!?」 腕輪姿の菊は心配してそう言うと、里奈は力無く笑ってみせる。 「ぎりぎりでね。でももう無理かも……」 里奈は殴られる寸前に後ろに跳び、衝撃を減らしていたのだ。 しかし、小田倉の肉体強化は想像以上に進んでいる。 里奈の攻撃では通じない程に。 「ふぅ、殴るのも楽じゃないんだけどなぁー」 小田倉は相変わらずおどけた感じでそう言うと、誰かに背後からトントンと肩を叩かれる。 「ん?」 小田倉が振り返ると、そこには畳んだ扇子を突き出そうとする美雪の姿。 「えい!」 美雪は畳んだ扇子で、可愛い掛け声に似合わない目潰しを繰り出した。 「うぎゃああああ!!」 小田倉が目を押さえ痛がってる隙に、美雪は里奈のところへ駆け付けた。 「大丈夫ですか?」 「怪我とかはたいしたことないんですけど……やっぱり合宿の後だから……」 「疲労ですか……体が動かないんですよね?」 「はい……」 「まだ戦いますか?」 「……?……はい!」 「あまり使いたくはないんですが、疲労を忘れさせてあげます」
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10773人が本棚に入れています
本棚に追加