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「僕のハチマキを奪おうってか!? そんなことはさせないよぉー!!」
小田倉は里奈に接近し両腕を引く。
「うららぁー! 《ガトリングパーーンチ!》」
小田倉のパンチの連打。
里奈はそれを見切って手で弾くか、避ける。
(……くっ!……一発が重い!!)
「ほらほらほらほらぁぁー!! どうしたぁー!?」
「……くそ!!」
里奈はひたすら受け流すが、反撃する暇がない。
防戦一方だと、また肉体強化で差が出て先に里奈の体力が切れてしまう。
まさに、成す術無し。
そう里奈が思った矢先……
「ぬあ!?」
小田倉の動きが突然止まった。
しかもパンチをした状態で固まったかのように。
「う、うごけねぇ……」
「何が……起きたの?」
里奈は呆然としていると、美雪が里奈のところへ駆け付けた。
「やっと効いてきましたか」
「先輩がやったんですか?」
里奈がそう言うと、美雪は扇子を広げ微笑む。
「黄色の花の花粉は痺れ粉です。さっき目潰ししたときに付けちゃいました」
いたずらしちゃいました的なノリで話す美雪。
「ハハハ……これが属性具現の戦い……」
里奈は安心したのか脱力して、座り込んでしまった。
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