◆何者!?◆

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「でもあの時僕の手振るえてたんだよ?……そんな奴が戦うなんて止めた方がいいと思うんだけど」 路地裏での出来事を思い出す煉……刀を持つ手は震えへっぴり腰だった。 それでも冷静になれと自分に言い聞かせ、紙一重で生き残れたのは運だと思えざるをえない。 「始めから戦闘慣れしてる奴なんか早々いないだろう」 「あんなのに慣れるのもどうかと思うけど……」 煉は溜め息混じりにそう言って、猫が諦めることを願いながら否定的なことしか話さないようにしてみる。 だが、猫は険しい表情になり次の言葉は煉の心を揺さぶった。 「奴らダークナイトはいつか君の身近にいる人に危害を与えるかもしれんぞ? それを防げるのは君だけだとしたら……どうする?」 「…………え?」 今の言葉を聞いた瞬間、学校の友達、部活仲間、里奈の事を考えた。 みんながあの通り魔に襲われているのを想像してしまう。 「まぁ可能性の話だ。深くは考えるな。そういえば名前がまだだったな……ならこうしよう。君が名前を教えてくれた場合、戦う決意をした、と拙者はとるぞ。 五分たっても名前を教えてくれないなら、拙者は去る。パートナーも何とかする。 …… …… ……今から五分だ」
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