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攻撃を見ないで避けられた。これから想像できる属性具現はある程度予想がつく。
「属性具現……俺の動きや行動を《読》めるのか……」
「気付いたか。俺はその属性具現のおかげで今まで生き残ってこれた」
「……成る程ね」
啓吾はそう呟きながら、また片手に電気を集中させる。そして5本の指先にはちいさな電気の球体。
「これならどうだ! 《五指膜雷(ゴシマクライ)》!」
啓吾はそれを全て武田に向かって投げる。
それを見た武田は手を覆う装甲のような物をいじくり始めた。
武田の腕を覆っていた手甲から姿を表したのは、いくつもの銃口。
「は?」
啓吾は素直に驚いた。
「あの球体、拡散するんだろ? なら早めに撃ち落とす」
機関銃のごとく銃弾を放ち武田はすべて膜雷を撃ち落とした。
そして銃口を一旦しまい込み、またもや手甲をいじる武田。
今度は手甲から小さな円筒が姿を表した。
武田はそれを啓吾に向けると不気味に微笑んだ。
「燃えちまいな!」
なんと円筒から火炎放射が放たれた。
真っ白な部屋を赤く染めながらもそれは容赦無く啓吾を襲う。
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