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武田は啓吾の動きを的確に読み、光線を連発する。
啓吾はひたすら走って避けるが、それはぎりぎりだった。
いつの間にか真っ白な部屋は光線によって出来た焦げ跡がたくさんあった。
「オモチャかよ! アイツは!」
「なかなかすばしっこいな」
(くそ! 避けてるだけじゃ拉致があかねぇ!)
啓吾は向きを変えて、武田に接近しようと考えたが……
「……ッ!!」
光線が啓吾の右足のふとももを貫いた!
あまりの痛みに一瞬顔を歪めた啓吾だが、立ち止まることはしない。
どんなときでも隙を見せないのは、啓吾の戦いの経験さを物語っている。
既にふとももからはかなりの出血。しかし啓吾はそれでも武田に接近する。
「く、来るなぁ!」
武田は光線を連発するが、啓吾はぎりぎりで体を僅かに横にそらして回避する。
そして充分に接近すると……
「まずはそのふざけたガントレットを壊してやる!」
啓吾は片手に雷の槍を作り、近距離で武田の左手に向けて放つ。
「ちっ!」
武田は先読みしていたのか、それを回避し、目の前にいる啓吾目掛け斧を振るった。
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