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目の前に迫る斧を啓吾は右手に持つ刀で防いだ。しかし斧が重いのか、それとも武田の力が強いのか、啓吾は顔をしかめ長く受け止めることが出来ずに、斧をそのまま受け流し後方に跳び少し距離をとる。
距離をとる啓吾目掛け、武田はすかさず光線を放つ。
「くらえ!」
啓吾は顔面に迫る光線を首を傾けてかわし、電気を帯びた片手を武田に向けた。
「《放雷》!」
そして広範囲に電撃を放つ。範囲は広いが威力は小さい。
武田はそれを読んで横っ飛びでかわそうとするが、予想以上に範囲が広く、
バチッ!
「ぐわ!!」
武田はそのまま倒れた。一瞬体が痺れて、立ち上がるのがやっとだった。
もちろん、その隙を啓吾が見逃すはずはなく、
「もらった!」
啓吾は武田の持つ斧を思いっきり刀で叩き弾いた。斧は宙を飛んでいる間に猫に戻り、啓吾は猫だけを見据えて刀を振るった。
しかし、
「うっ……!」
啓吾の刀を持つ腕に小さい針がたくさん刺さった。
武田は猫が斬られる寸前に手甲の中身を変えて、毒針を撃ったのだ。
啓吾は毒に侵されながらも刀は離さない。
力強い目をして武田を見据えている。
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